今夏に開催されたこども工芸講座の事業報告が届きました。
2019年8月25日と9月8日に
愛知県陶磁美術館にて「こども工芸講座」を開催いたしました。
今年は19組の小中学生の親子さんにご参加いただきました。
こども工芸講座初日の午前中は、愛知県陶磁美術館で開催中の「陶工・河井寛次郎展」と
常設展にて展示されていた抹茶碗を中心に鑑賞しました。
参加した子どもたちは、これからつくる抹茶碗の造形や文様を展示品や敷地内の自然を観察したり、
スケッチしながら考えました。
こども達は、午前中考えた図案をもとに、それぞれこだわりながら粘土と悪戦苦闘していました。
特に漆で加飾をする部分を滑らかにし、文様を想像しながら一生懸命に制作していました。
茶碗の焼き上がりは、内側に釉薬を掛けましたが、漆で描く部分は無釉にして焼しめました。
9月8日には、赤色と黒色の2種類の漆をつかって描きました。
ほとんどの子供たちは、初めて漆を筆に含ませて描きますので熱心に取り組んでくれました。
夢中になって制作していましたので、数名の子供さんに漆がついてしまいましたが
適切な処置をして大事に至りませんでした。
漆独特なにおいや漆の特徴を理解しながら、初めての体験に満足した面持ちで終えることができました。
そして皆さんの力作を日本伝統工芸展 名古屋展の会場にて作品を展示しました。
さらに10月5日(土)に制作した器を使用して、お茶会を開催しました。
お茶会当日には、自分の作品でお菓子と抹茶をいただく初めての体験に
満足気なこども達の笑顔であふれていました。
“次回の企画があったら参加したい“と言ってくれたご家族もいました。
企画・運営から細やかな数々のご配慮をいただきました愛知県陶磁美術館の皆様には、
この場を借りてお礼申しあげます。ありがとうございました。
講師 岩渕寛 入澤聖明(愛知県陶磁美術館)
鵜飼敏伸 若林雅子 川口清三
明石朋実 佐藤文子 武二香 宮下陽(日本工芸会東海支部)