陶芸部会勉強会


令和4年2月13日まで愛知県陶磁美術館にて、
「東海伝統工芸の今」展を開催しておりました。
多くのかたにご来場いただきまして、誠にありがとうございました。

 

最終日には、東海支部の陶芸部会研究会が行われました。
研究会の様子をお伝えします。


(スライドレクチャーをする学芸員の入澤先生)


陶芸部会勉強会

日時 令和四年二月十三日
場所 愛知県陶磁美術館
参加者 二九人

令和四年二月五日~十三日に開催された「東海伝統工芸の今」展に合わせ、陶芸部会勉強会が行われました。
今回は、愛知県立陶芸美術館総長伊藤嘉章先生と学芸員の入澤聖明先生を講師にお迎えし、お話を伺いました。

まず学芸員の入澤先生より、「伝統工芸」という言葉の定義からはじまり、
日本伝統工芸展の初回から第七回までの図録を用いながら、
その「趣旨」の変遷についての講義が行われました。

第一回日本伝統工芸展の趣旨が“優れた伝統が絶えようとしている”
“伝統的な工芸技術の保護育成のため”と伝統工芸の保護を訴えているのに対し、
第七回日本伝統工芸展では“伝統継承ということは単に古い技術を習得しそれを墨守することではない。
伝統は生きて流れていくものであり「不易流行」である”と現在の趣旨に近い形に変化しています。
初期の伝統工芸展における趣旨の変遷は非常に興味深く、創作活動の在り方を改めて考える良い機会となりました。

(二次審査の様子を伝える伊藤嘉章総長)


次に伊藤嘉章総長による令和三年度日本伝統工芸展の二次審査の様子を、
当日の写真を用いながらお話しいただきました。
二次審査は一次審査と違い、八つの部会すべての審査員が入るため、さらに厳しい視点が入ること、
特に陶芸作品の甘さを指摘される事がある、というお話がありました。
さらに昨年同様、各作家の過去作品をまとめたスライドを投影し、
参加者一人一人が伊藤総長と直接対話しながら自作の今後の展開について意見交換しました。

 


最後に持参した作品を伊藤総長に見ていただき、作品についてのご意見やアドバイスを受けました。
今回の勉強会では出席者それぞれが過去作品を振り返りながら対話することで、
客観的な視点で自身の課題を見つけることが出来たのではないかと思います。
次回の東海伝統工芸展に向けて、非常に実り多い勉強会となりました。
(酒井紫羊)

2022年02月14日